新幹線の予約をする際、窓側や通路側が埋まっていてB席しか選択肢がなく、がっかりした経験をお持ちではないでしょうか。
インターネット上、特にSNSやなんJなどの掲示板では「新幹線のB席はうざい」「隣に座られたくない」といった声が頻繁に見受けられます。
そもそもB席は車両のどこにあって、本当に狭いのでしょうか。
あるいは、実は座席が広いという意外な説もあります。
さらに、荷物の置き場所やコンセントの有無、どうしても席を移動したい場合に指定席を変われるのかといった、実践的な疑問も尽きないものです。
この記事では、こうしたB席に関するあらゆる疑問に答え、多くの人が敬遠する理由から、知る人ぞ知るメリット、そして予約時の判断基準まで、網羅的に掘り下げていきます。
記事のポイント
- B席がうざいと言われる具体的な理由
- B席の意外なメリットや活用法
- B席しか空いていない時の予約の判断基準
- B席利用時のトラブル回避策やマナー
なぜ新幹線のB席はうざいと言われるのか
- そもそもB席はどの列のどこにある席?
- 隣に座られたくないという圧迫感と疲労
- 意外と困る手回り品や荷物の置き場所
- B席でも利用できるコンセントの有無と場所
- 譲り合いが面倒なアームレスト問題
そもそもB席はどの列のどこにある席?
まず基本として、新幹線のB席がどの位置にあるのかを正確に把握しておくことが重要です。B席を理解することは、なぜ多くの人から敬遠されるのかを理解する第一歩となります。
B席は「3人掛けシートの真ん中」
新幹線の普通車の座席は、多くの場合、海側(進行方向左手)に3列、山側(進行方向右手)に2列という配置になっています。この3列シートが「A席」「B席」「C席」と呼ばれており、その真ん中に位置するのがB席です。具体的には以下のようになります。
- A席: 窓側の席
- B席: 真ん中の席
- C席: 通路側の席
一方、2列シートは「D席(通路側)」と「E席(窓側)」です。この配置により、B席は新幹線の普通車の中で唯一、窓にも通路にも面していない席ということになります。この物理的な配置こそが、B席が持つ多くのデメリットの根源となっているのです。
パーソナルスペースが確保しにくい構造
B席に座るということは、見知らぬ乗客2人に両側を挟まれる状況を意味します。A席であれば片側は窓、C席であれば片側は通路となっており、少なくとも片方の空間は確保されています。しかし、B席にはそれがありません。人間には「パーソナルスペース」と呼ばれる心理的な縄張り意識があり、他人がこのスペースに侵入すると不快感やストレスを感じやすいと言われています。B席は、このパーソナルスペースが最も侵害されやすい座席であると言えるでしょう。
特に長時間の移動となる新幹線では、この窮屈さが心身の疲労に直結します。読書をする、パソコンで作業をする、あるいはただ仮眠を取るだけでも、両隣に人がいると無意識に気を遣ってしまい、心からリラックスすることが難しくなるのです。言ってしまえば、これが「B席はうざい」と感じる最も根源的な理由です。
補足:グリーン車やグランクラスにはB席は存在しない
ちなみに、グリーン車は通常「2列+2列」の座席配置のため、B席そのものが存在しません。さらに上級クラスであるグランクラスは「2列+1列」が基本です。B席を確実に避けたいのであれば、これらの上級クラスを選択するのも一つの方法ですが、もちろん追加料金が発生します。
隣に座られたくないという圧迫感と疲労
B席が敬遠される心理的な要因として、物理的な狭さ以上に「圧迫感」とそれに伴う「精神的な疲労」が挙げられます。これは、単にスペースの問題だけでなく、他者との関わりの中で生じるストレスが大きく影響しています。
両隣を気にしながら過ごすストレス
B席に座ると、常に両隣の乗客の存在を意識せざるを得ません。例えば、少し体を動かそうにも隣の人にぶつからないか気になりますし、スマートフォンや本を読む際にも、肘がはみ出さないように窮屈な姿勢を強いられることがあります。特に、隣の乗客が大柄な方であったり、頻繁に体を動かす方であったりすると、そのストレスはさらに増大します。
また、食事や飲み物を摂る際にも一苦労です。テーブルは狭く、隣の人に迷惑をかけないようにと、普段以上に慎重な動作が求められます。こうした小さな気遣いの積み重ねが、数時間の乗車時間で大きな精神的疲労につながっていくのです。「隣に座られたくない」という検索キーワードの裏には、こうした他者との近接距離がもたらす無意識のストレスから逃れたいという強い願望が隠されています。
トイレや休憩で席を立ちづらい
B席のもう一つの大きなデメリットは、席の出入りのしにくさです。トイレに行きたい時や、少し気分転換にデッキへ行きたい時、必ず通路側に座っているC席の乗客に声をかけ、席を立ってもらう必要があります。
相手が寝ていたり、食事中であったり、仕事に集中していたりすると、声をかけるタイミングをためらってしまうこともあるでしょう。逆に、自分が座っている間にC席の乗客が何度も席を立つ場合、その都度通路を空けるために立ち上がる必要があり、落ち着きません。
このように、B席は自分のペースで自由に行動することを著しく制限される席なのです。特に長距離の移動では、この「立ちづらさ」がボディブローのように効いてきて、目的地に着く頃にはぐったり疲れてしまう原因となります。
注意:知らない人とのコミュニケーションが苦手な人は特に注意
見知らぬ人に声をかけるのが苦手な方にとって、席を立つたびに許可を得なければならない状況は、想像以上の苦痛となり得ます。頻繁に席を立ちたい方や、コミュニケーションにストレスを感じやすい方は、B席の予約は慎重に検討することをおすすめします。
意外と困る手回り品や荷物の置き場所
新幹線での移動では、スーツケースなどの大きな荷物だけでなく、PCバッグやお土産袋といった手回り品の置き場所も快適性を左右する重要な要素です。B席は、この荷物の置き場所という点でも不利な条件を抱えています。
足元のスペース問題
まず問題になるのが足元のスペースです。新幹線の座席下は、前の座席の構造によって空間の広さが決まりますが、3人掛けの中央であるB席は、両隣の乗客と足元のスペースを分け合う形になります。ここに自分の手荷物を置こうとすると、どうしても窮屈になり、足を伸ばしてリラックスすることが難しくなります。
特に、A席やC席の乗客が大きな荷物を足元に置いた場合、その影響でB席の足元スペースがさらに狭められてしまうことも少なくありません。自分の荷物を置く場所がないばかりか、足を置くスペースすらままならないという状況は、大きなストレスとなります。
座席上の荷物棚へのアクセス
足元に置けない荷物は、座席上の荷物棚を利用することになります。しかし、ここでもB席の不利さが顔を出します。B席から荷物棚に荷物を上げ下げするには、C席の乗客の頭上を越えて行わなければなりません。
荷物が重かったり大きかったりすると、バランスを崩して落としてしまうリスクも考えられ、細心の注意が必要です。また、降車時に荷物を取り出す際も、通路が混雑している中でC席の人に気を遣いながら行わなければならず、慌ただしくなりがちです。このように、荷物の管理という点においても、B席は窓側や通路側の席に比べてハンディキャップを負っているのです。
大きな荷物がある場合の対策
東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、一部の車両に「特大荷物スペース」付きの座席が用意されています。これは、3辺の合計が160cmを超える「特大荷物」を持ち込む乗客が事前に予約できるスペースです。もし大きなスーツケースを持っていて、やむを得ずB席を利用する場合は、こうしたサービスがある車両を狙って予約するのも一つの手です。ただし、このスペースも数に限りがあるため、早めの予約が必須となります。
B席でも利用できるコンセントの有無と場所
現代の新幹線移動において、スマートフォンやPCの充電ができるコンセントの有無は、座席選びの非常に重要なポイントです。B席に座る際、「コンセントは使えるのだろうか」と心配になる方も多いでしょう。ここでは、B席のコンセント事情について詳しく解説します。
結論:新しい車両ならB席にもコンセントはある
まず結論から言うと、比較的新しい車両であれば、B席にもコンセントは設置されています。具体的には、東海道・山陽新幹線を走るN700系(N700A、N700S)や、東北・北海道、上越、北陸新幹線を走るE5系/H5系、E7系/W7系などの車両では、普通車の全座席にコンセントが完備されています。
これらの車両では、B席の乗客も前の座席の背面下部や、肘掛けの先端部分に設置されたコンセントを自由に利用することが可能です。そのため、移動中にバッテリー切れを心配する必要はありません。
注意が必要な古い車両
一方で、注意が必要なのは少し前の世代の車両です。例えば、既に定期運行を終了していますが、かつて主力だった700系や、現在も一部で活躍するE2系などの古い車両では、コンセントは窓側の壁際にしか設置されていませんでした。このような車両でB席に当たってしまった場合、自分の席で充電することはできません。
ただ、現在では主要な新幹線路線ではコンセント付きの車両が主流となっているため、過度に心配する必要は薄れています。しかし、臨時列車や一部の路線では古い車両が使われる可能性もゼロではないため、予約時に車両形式を確認できる場合はチェックしておくとより安心です。
主要新幹線車両の普通車コンセント設置状況
車両形式 | 主要な運行路線 | コンセント設置場所 |
---|---|---|
N700S/N700A | 東海道・山陽・九州新幹線 | 全座席の肘掛け先端 |
E5系/H5系 | 東北・北海道新幹線 | 全座席の前の座席背面下部 |
E7系/W7系 | 上越・北陸新幹線 | 全座席の前の座席背面下部 |
E6系 | 秋田新幹線 | 全座席の前の座席背面下部 |
800系 | 九州新幹線 | 窓側・通路側の壁際など一部座席 |
※上記は一般的な情報であり、編成や改造により異なる場合があります。
このように、利用する新幹線の種類によってコンセントの状況は異なります。特にビジネスでの利用や長距離移動で充電が必須な場合は、N700SやE5系といった新しい車両が運行する列車を選ぶことが、快適なB席利用の鍵となります。
譲り合いが面倒なアームレスト問題
B席におけるストレス要因として、見落とされがちながら非常に重要なのが「アームレスト(肘掛け)」の問題です。両隣を乗客に挟まれるB席では、2つある肘掛けをどちらが使うのかという、暗黙の駆け引きや気遣いが発生します。
B席の特権?両方の肘掛けを使う権利
インターネット上などでは、「B席は窮屈な分、両側の肘掛けを使う権利がある」という考え方を見かけることがあります。これは、窓側(A席)の人は窓側の壁にある肘掛けを、通路側(C席)の人は通路側の肘掛けをそれぞれ専用で使えるため、その間にある2つの肘掛けは、最も不便を強いられているB席の人が優先的に使うべきだ、という論理です。
この考え方には一定の合理性があり、実際にB席の人が両方の肘掛けを使っている光景も目にします。もし両隣の乗客がこの「暗黙のルール」を理解していれば、平和的に解決するかもしれません。
現実的には譲り合いと気遣いが必要
しかし、この「B席優先ルール」は公式なものではなく、全ての人が知っているわけではありません。そのため、B席の人が当然のように両方の肘掛けを占有すると、隣の乗客が不快に感じる可能性があります。逆に、両隣の乗客が遠慮なく肘掛けを使ってきた場合、B席の人は肘を置く場所がなくなり、非常に窮屈な思いをすることになります。
結局のところ、アームレスト問題は「譲り合い」の精神で解決するしかありません。自分が使いたい場合は相手の様子を伺ったり、もし相手が使っていたら少し時間を置いてみるなど、お互いに気持ちよく過ごすための配慮が求められます。この無言のコミュニケーションが「面倒くさい」「うざい」と感じる人にとっては、B席はやはりストレスの多い席だと言えるでしょう。
アームレストトラブルを避けるには
もし自分がB席で、どうしても肘掛けを使いたい場合、最初から両方を使うのではなく、まずは片方だけを利用し、隣の人の様子を見るのが無難です。また、体格差など、やむを得ない事情で肘が当たってしまうこともあります。そうした場合でも、険悪な雰囲気にならないよう、会釈するなどの小さな気遣いが、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
「新幹線のB席はうざい」を回避・活用する知識
- SNSやなんJで見られるB席のリアルな声
- 空席があっても「指定席変われ」は可能?
- B席しかなくても予約すべきかの判断基準
- B席は他の席より座面が広いという利点
- 結論:新幹線のB席はうざいだけなのか
SNSやなんJで見られるB席のリアルな声
新幹線のB席に対する評価は、個人の体験談だけでなく、インターネット上の集合知の中にも多く見出すことができます。特に、リアルタイム性の高いSNS(Xなど)や、匿名掲示板である「なんJ(なんでも実況J)」では、B席に関する率直な意見が数多く投稿されています。
圧倒的に多いネガティブな意見
やはり、ネット上で見られる声の多くはネガティブなものです。「B席しか空いてなくて絶望」「今日の移動はB席地獄」「両隣が大柄な人で圧死する」といった悲痛な叫びは、頻繁に目にすることができます。これらの声は、これまで述べてきたようなB席のデメリット(狭さ、圧迫感、席の立ちにくさ)を裏付けるものばかりです。
なんJなどの掲示板では、さらに辛辣な表現で語られることも少なくありません。「罰ゲーム」「最弱の席」といったスラングで呼ばれることもあり、いかに多くの人にとってB席が「ハズレ席」として認識されているかがよく分かります。こうした声に共感し、「自分だけがB席を嫌っているわけではない」と安心感を覚えるユーザーも多いようです。
少数ながら存在するポジティブな意見やTips
一方で、数は少ないものの、B席に対するポジティブな意見や、少しでも快適に過ごすためのTips(コツ)も存在します。
-
- 「むしろB席が好き」派: 「両隣に人がいると逆に落ち着く」「狭いところが秘密基地みたいで良い」といった、少数派ながら独特の感性を持つ人々の声です。
-
「B席は幅が広い」説:
-
- 後述しますが、B席の座面が僅かに広いことを知っており、それをメリットと捉える知識豊富なユーザーの投稿。 -
快適化の工夫:
- 「ノイズキャンセリングイヤホンは必須」「アイマスクで視界を遮断すると楽」「最初から肘掛けは諦める」など、B席を乗り切るための具体的なテクニックを共有する動きも見られます。
このように、SNSやなんJの声を観察することで、B席に対する一般的なイメージと、一部のユーザーが編み出した対策や異なる視点を知ることができます。これらの情報は、自分がB席に座る際の心構えや、具体的な対策を練る上で非常に参考になるでしょう。
「なんJ」とは?
「なんでも実況J(ジュピター)」の略で、日本の大手匿名掲示板「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」の板(カテゴリ)の一つです。元々は野球の実況がメインでしたが、現在では雑談、ニュース、ネタなど、あらゆる話題が扱われる巨大コミュニティとなっています。非常にフランクで独特な言い回しが多用されるのが特徴です。
空席があっても「指定席変われ」は可能?
B席に座っていて、ふと周りを見渡した時に窓側や通路側に空席を見つけると、「あっちに移りたい…」という気持ちが芽生えるのは自然なことです。では、実際に空席に移動したり、他の乗客に「指定席変われ」とお願いしたりすることは可能なのでしょうか。この問題は、ルールとマナーの両面から考える必要があります。
原則:指定された席以外に座るのはルール違反
まず大前提として、指定席券は「指定された列車・座席」に対してのみ有効です。たとえ同じ車両内に空席があったとしても、そこに勝手に移動することはJRの旅客営業規則に反する行為となります。なぜなら、その空席は次の駅から乗車する乗客のために予約されている席かもしれないからです。
もし無断で席を移動し、後からその席の正規の乗客が現れた場合、トラブルの原因になることは間違いありません。車内改札で車掌から指摘される可能性も十分にあります。
車掌に相談すれば変更できる可能性も
どうしても席を変更したい場合、自分自身で判断して動くのではなく、必ず車掌に相談するのが正しい手順です。車掌は列車全体の予約状況を把握しています。もし、目的地まで誰も予約が入っていない完全にフリーな空席があれば、事情を考慮して席の変更を認めてくれる場合があります。
ただし、これはあくまで車掌の裁量による「特例的措置」であり、必ず変更してもらえるという保証はありません。特に混雑時などは、こうした対応が難しい場合も多いです。相談する際は、「もし可能であれば」という謙虚な姿勢でお願いすることが大切です。
他の乗客に「指定席変われ」とお願いするのはNG
最も避けるべきなのが、他の乗客に直接「席を変わってほしい」と交渉することです。これは非常に厚かましい行為であり、相手に多大な不快感を与えかねません。相手は正当な料金を払ってその快適な席(窓側や通路側)を確保しているのであり、見ず知らずの他人のためにその権利を放棄する義務は一切ありません。
このような要求は、深刻な乗客トラブルに発展するリスクが極めて高い、重大なマナー違反です。「指定席 変われ」というキーワードで検索する人がいる背景には、こうした願望があるのかもしれませんが、実行に移すことは絶対にやめるべきです。B席を引いてしまった不満は、他人にぶつけるのではなく、ルールとマナーの範囲内で解決策を探るべきです。
どうしてもB席を避けたいなら自由席という選択肢
指定席でB席しか取れなかった場合、思い切って自由席を利用するのも一つの手です。始発駅や、乗客が多く降りる主要な駅から乗車すれば、自由席でも窓側や通路側の席を確保できる可能性は十分にあります。もちろん着席の保証はありませんが、B席での窮屈な移動を回避するための有効な選択肢と言えるでしょう。
B席しかなくても予約すべきかの判断基準
旅行や出張の計画を立て、いざ新幹線を予約しようとしたらB席しか残っていなかった…そんな絶望的な状況に直面することは少なくありません。ここでは、そんな時に「B席でも予約すべきか」「それとも他の選択肢を探すべきか」を判断するための基準を提案します。
結論:移動時間と目的で判断する
私がもしこの状況に置かれたなら、判断の最大の軸は「乗車時間」と「移動の目的」です。この2つの要素を考慮することで、合理的な決断が下せます。
理由①:短時間なら我慢、長時間なら再検討
まず、乗車時間が短い場合は、B席でも我慢できる可能性が高いです。例えば、東京駅から熱海や名古屋へ行く程度の1時間〜2時間程度の移動であれば、「少し窮屈なだけ」と割り切ってB席を予約するのも現実的な選択です。
しかし、東京駅から新大阪や博多へ行くような、3時間を超える長距離移動となると話は変わってきます。長時間にわたってB席の圧迫感や不自由さに耐えるのは、心身ともに大きな負担となります。この場合、B席を予約する前に他の選択肢を真剣に検討する価値があります。
理由②:移動の目的が重要
次に、その新幹線移動の目的も重要です。例えば、
- 観光旅行でリラックスしたい場合: B席では車窓の景色も楽しめず、リラックスしにくいため、旅の満足度が下がってしまう可能性があります。この場合は、多少無理してでも他の便を探した方が良いかもしれません。
- 重要な仕事の前で集中・休息したい場合: 移動中にPCで作業をしたり、プレゼンの準備をしたり、あるいはしっかりと休息を取っておきたい場合は、B席は不向きです。生産性や体調管理を優先するなら、避けるべきでしょう。
- 単なる移動手段と割り切れる場合: 寝るだけ、音楽を聴くだけなど、移動そのものに何の期待もしていない場合は、B席でも問題ないかもしれません。
B席しか空いていない時の具体的な選択肢
- B席で妥協する: 短時間移動や、他に選択肢がない場合の最終手段。
- 自由席を狙う: 始発駅などから乗る場合。並ぶ時間と労力は必要だが、窓側・通路側に座れる可能性がある。
- 前後の列車を調べる: 30分〜1時間ずらすだけで、窓側や通路側に空席が出ることがよくある。
- グリーン車を検討する: 予算が許せば、最も快適な解決策。B席が存在しないため、確実に快適な席が確保できる。
このように、B席しかなくてもすぐに諦める必要はありません。自分の状況と照らし合わせ、最適な選択をすることが重要です。
B席は他の席より座面が広いという利点
これまでB席の数多くのデメリットについて解説してきましたが、実はB席には、ほとんどの人に知られていない、しかし確かなメリットが存在します。それは、「一部の車両において、B席はA席やC席よりも座席の横幅が僅かに広い」という事実です。
なぜB席は広いのか?
この事実は、特に東海道・山陽新幹線を走るN700系シリーズ(N700A、N700S)で顕著です。なぜ真ん中のB席だけが広く作られているのでしょうか。その理由は、アームレスト(肘掛け)の構造にあります。
3人掛けシートでは、A席とB席の間、そしてB席とC席の間にそれぞれアームレストがあります。このアームレストの幅を車体全体の設計に組み込む際、スペースを効率的に配分した結果、中央のB席の座面(座る部分)に割り当てられる幅が、両端のA席やC席よりも若干広くなるのです。
具体的にどれくらい広いのか?
車両形式によって差はありますが、代表的なN700系を例に挙げると、座席の幅は以下のようになっています。
N700系 普通車 座席幅の比較
座席 | 座席幅(目安) | 特徴 |
---|---|---|
A席(窓側) | 約440mm | 標準的な幅 |
B席(中央) | 約460mm | A席・C席より約2cm広い |
C席(通路側) | 約440mm | 標準的な幅 |
D/E席(2人掛け) | 約440mm | 標準的な幅(グリーン車は約475mm) |
※数値は資料により多少の差異があります。
このように、B席は他の普通席よりも約2cm(20mm)も広く作られています。わずか2cmと感じるかもしれませんが、長時間座る上ではこの差が座り心地に影響を与える可能性があります。特に、体格の大きい方にとっては、この僅かな余裕が窮屈さを和らげる一助となるかもしれません。
このメリットをどう活かすか?
もちろん、この「広さ」というメリットをもってしても、両隣を挟まれるデメリットが完全に相殺されるわけではありません。しかし、この事実を知っていると、B席に対する見方が少し変わるのではないでしょうか。
例えば、グループや家族での旅行で3人並びの席を取る場合、体格の大きい人がB席に座ることで、グループ全体の快適性が向上するかもしれません。また、やむを得ず一人でB席に乗ることになった際も、「実は一番広い席なんだ」と知っているだけで、心理的な不満が少し和らぐ効果も期待できます。
「新幹線のB席はうざい」という常識の中に隠された、ささやかながらも確かな利点。これを知識として持っておくことは、B席と向き合う上で決して無駄にはならないでしょう。
結論:新幹線のB席はうざいだけなのか
この記事では、新幹線のB席がなぜ「うざい」とまで言われるのか、その理由を多角的に掘り下げるとともに、意外なメリットや対処法についても解説してきました。最後に、記事全体の要点をまとめておさらいします。
- 新幹線のB席は3人掛けシートの真ん中の席を指す
- 普通車の中で唯一窓にも通路にも面していない
- 両隣を乗客に挟まれるため物理的に狭く感じやすい
- パーソナルスペースが侵害され心理的な圧迫感がある
- 長時間の乗車では気疲れしやすい傾向にある
- トイレなどで席を立つ際に隣の人に声をかける必要がある
- 手回り品や荷物を置く足元のスペースが窮屈になりがち
- 肘掛け(アームレスト)をどちらが使うかで気を遣う
- 新しい車両(N700系など)では全席にコンセントがある
- 他の乗客に指定席の変更を直接お願いするのはマナー違反
- 空席への移動は必ず車掌に相談するのがルール
- SNSやなんJではB席へのネガティブな意見が多数を占める
- 一部車両ではB席の座席幅が他の席より僅かに広いという利点がある
- B席しかなくても乗車時間や目的によっては十分選択肢になりうる
- 最終的にB席をどう捉えるかは個人の価値観や状況によって異なる